法律実務
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法律文書のPDFをクラウドに送らず黒塗りする方法と確かめ方

執筆:Amine Gaaliche · Claudeで下書きを作成し、内容は人が確認したうえで手作業で編集しています

黒塗りしたPDFの黒い部分を選んでコピーし、メモ帳に貼り付けてみてください。文字が出てくれば、その黒塗りは見た目だけです。依頼者の秘密を含む文書なら、もう一つ確かめることがあります。黒塗りの作業のために、文書をオンラインのサービスに送っていないかどうかです。

黒い四角の下に、文字が残っていることがあります

2025年11月、大阪府守口市は、公文書公開請求に応じて市のホームページに掲載した「住居表示新設受付簿」について、黒塗りした箇所の一部がPDF上で確認できる状態だったと公表しました。対象は申請者46名分の氏名で、市民からの指摘で判明しています。市が挙げた原因は、黒塗りしたExcelファイルをそのままPDFにしたことでした。再発防止策として、黒塗りしたデータを一度印刷し、複合機でスキャンし直したPDFを公開する運用と、公開前の複数人による確認を挙げています。

ExcelやWordで文字を黒く塗ったり、PDF編集ソフトで氏名の上に黒い四角を描いたりしても、黒はページに重なるだけで、下の文字はファイルに残ります。画面ではきちんと塗られて見えても、選んでコピーすれば誰でも読め、簡単なプログラムでも抜き出せます。本当の黒塗りでは、文字やオブジェクトのデータから内容そのものを削除し、空いた場所に黒い帯やコードを置きます。元の文字は、代替テキスト、メタデータ、フォーム欄、しおりなど、ページに見えない場所にも残ります。promptShieldは、ダウンロードするファイルのこうした場所にある値も、コードや目立たない記号に置き換えるか、削除します。

3つのやり方の違い

項目オンラインの黒塗りサービスPDF編集ソフトで手作業パソコンの中で自動検出
文書がパソコンの外に出る出る出ない出ない
下の文字を消すツールによる消えないことが多い消す
300ページの書証扱える見落としやすい扱える
元に戻せる、一貫したコードまれなしあり(同じフォルダーの中)
ネットワークを切っての処理できないできるできる

手作業なら文書は外に出ません。ただ、長い書証では見落としが増えますし、下の文字が消えていないこともよくあります。オンラインのサービスは長い文書も処理できますが、そのために文書を外に出します。両方の問題を避けられるのは、パソコンの中で検出し、内容そのものを消す方法だけです。

手元を離れた時点で起きること

オンラインの黒塗りサービスの多くは、ファイルを自社のサーバーで処理します。氏名を探すには、文書の中身を読む必要があるからです。社外に出しても困らない文書ならそれで構いませんが、準備書面に添付する資料や和解契約書、診療記録となると話は別です。

弁護士法第23条は、弁護士に職務上知り得た秘密を保持する義務を課しています。弁護士職務基本規程(日本弁護士連合会会規第70号)も、第23条で依頼者の秘密を他に漏らすことを禁じ、第18条で事件記録の保管や廃棄の際に秘密が漏れないよう注意することを求めています。税理士には税理士法第38条の守秘義務があります。ファイルが手元を離れれば、何も漏れていなくても、事務所の外の事業者が文書を持つことになります。

個人情報保護法の面では、黒塗りの作業を外部のサービスに任せることは、一般に、個人情報の取扱いの委託として整理されます。委託先は第三者にはあたりませんが(第27条第5項第1号)、委託元には委託先を監督する義務があります(第25条)。委託先が外国の事業者であれば、外国にある第三者への提供について第28条が別に定めています。

急ぎの作業のために検索で見つけたサービスについて、委託先の監督まで整えるのは現実的ではありません。しかも、一度送った文書は、事業者に削除の方針があっても取り戻せません。必要なのは、よりよい事業者を探すことではなく、文書を送らずに済ませることです。

一つの事件は一つのフォルダーに

黒塗りは一方通行です。元に戻せるコードに置き換えれば、氏名を伏せたまま相手方の代理人や専門家、外部の業者に文書を渡し、戻ってきたあとで事務所の中で氏名に戻せます。同じフォルダーの中では、同じ値にいつも同じコードが付くので、3ページ目と280ページ目の[P0ABCD]は同じ人物です。別のフォルダーでは別のコードが付くので、二つの事件が結び付くこともありません。一つの事件のファイルは一つのフォルダーにまとめてください。

ただし、コードに置き換えても、元に戻せる以上、個人情報であることに変わりはありません。個人情報保護法第2条第1項第1号は、他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できるものも個人情報に含めています。コード台帳を持つ事務所にとって、コード化した文書は個人情報のままで、個人情報保護法上の義務も続きます。「匿名化」と呼べる条件は別の記事で扱っています。

コード台帳は、パソコンの中に保存される普通のファイルです。コード化する前の元の文書も同じパソコンにあるので、台帳だけを特別に保護しても守れるものは増えないからです。注意が必要なのはエクスポートです。台帳をエクスポートしたファイルには、コードと元の値の対応がそのまま書かれています。コード化したファイルと一緒に送ると、受け取った人がすべての氏名を元に戻せてしまいます。

パソコンの中での作業の流れ

  1. 検出する。2ページの手紙なら目で探せますが、300ページの書証では見落とします。氏名、住所、ID番号、生年月日、口座情報、メールアドレス、電話番号を自動で探します。
  2. 確定する前に確認する。ソフトウェアは候補を示し、判断するのは人です。パソコンの中で動く検出にも見落としはありうるので、既定では、確認済みにするまでファイルをダウンロードできません。
  3. 黒塗りを適用し、コピーで確かめる。黒塗り部分をコピーしてメモ帳に貼り付け、何も出てこなければ、文字は消えています。

ネットワークを切った状態でも処理が最後まで進めば、文書がパソコンから出ていないことを確かめられます。なお、ライセンスを購入したデスクトップアプリは、接続できるときにはライセンスの確認を行います。スキャンしたページは画像なので、検出の前に読み取りの手順が要ります。スキャンしたPDFや画像を黒塗りする方法で説明しています。

promptShieldは、デスクトップアプリではPDFとOfficeファイルを、無料のブラウザー版ではPDFを、パソコンの中で黒塗りします。文書がパソコンの外に出ることはありません。お手元の文書でお試しください。

よくある質問

PDF編集ソフトで黒い四角を描くだけで、黒塗りになりますか?

多くの場合、なりません。下の内容を削除するツールでなければ、コピー&ペーストや簡単なプログラムで元の文字を取り出せます。黒塗り部分をコピーして確かめてください。

パソコンの中で処理すると、検出の精度は落ちますか?

いまは、普通のノートパソコンでも検出モデルが十分に動きます。それでも見落としのない検出はないため、確認は作業の一部です。

ブラウザーで動く黒塗りツールなら、文書は外に出ませんか?

ブラウザーのタブの中で処理し、ファイルを送らないツールに限ります。ネットワークを切っても動くかどうかで確かめられます。この方法で文書が手元に残ることは確かめられますが、ページがほかの通信を行うことはあります。promptShieldの無料のブラウザー版も、文書を外に送ることはありませんが、起動時に匿名の通知を送ります。

スキャンしたPDFは、どう黒塗りすればよいですか?

スキャンしたページは画像です。ツールが文字とその位置を読み取り、その部分の画素を塗りつぶす必要があります。手順はスキャンしたPDFの黒塗りで説明しています。

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