業務の進め方
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文書をまたいで同じコードを使うには:対応が保たれる範囲

執筆:Amine Gaaliche · Claudeで下書きを作成し、内容は人が確認したうえで手作業で編集しています

契約書をAIに読ませる作業は、1回の質問では終わりません。要約を頼んで回答を読み、覚書を追加して、また前の論点に戻ります。その途中で同じ人物の呼び名が変わると、AIは一人の人物を二人として扱ってしまいます。promptShieldでは、同じフォルダーの中であれば、どのファイルでも、何度処理しても、同じ氏名には同じコードが付きます。

甲・乙と書いても、実名は文書に残ります

日本の契約書は本文で「甲」「乙」と書くので、氏名はあまり出てこないように見えます。しかし、前文で甲と乙が誰かを定め、末尾の署名欄には実名と住所が並びます。変更覚書も同じ形です。AIに渡す前に、これらをコードに置き換えておく必要があります。

株式会社サンプルと山田 太郎さんの業務委託契約書に、変更覚書が2通あるとします。作業は次のように進みます。

  1. コード化する。契約書と覚書を同じフォルダーに入れ、氏名や住所を、種類のわかるコードに置き換えます。検出結果は、確定する前に人が確かめます。重要な文書ほど、この確認を省かないことが大切です。理由はAIの出力に人が責任を持つ理由で説明しています。
  2. AIとやり取りする。コード化した契約書をChatGPTやClaudeなどに渡し、双方の義務を要約してもらいます。次に1通目の覚書を渡して支払条件が変わったかを尋ね、最後に、食い違いを解消する条項案を頼みます。
  3. デコードする。AIの回答をpromptShieldに読み込むと、すべてのコードが一度に元の値に置き換わります。

この流れが成り立つのは、契約書でも覚書でも、乙にあたる山田さんの氏名に同じコードが付いているからです。呼び名が途中でずれると、AIの回答に誤りが紛れ込み、しかも読み手がそれに気づきにくくなります。契約書1通だけを処理する前提のツールでは、この作業は続きません。実際の案件は、関連する何通もの文書と、数週間にわたるやり取りでできています。

コードが変わらない範囲は、フォルダーで決まります

コードはフォルダーごとに管理され、同じフォルダーのファイルどうしは同じコードを使います。[P0ABCD]のような形式のコードが、契約書でも覚書でも請求書でも、同じ人物には同じものとして付きます。ファイルを同じフォルダーに入れるだけで、このつながりができます。別のフォルダーのファイルでは、同じ氏名にも別のコードが付きます。フォルダーをまたいで同じコードを使いたい場合は、「設定」>「コード」の「コードを追加」で手で登録します。手で登録したコードは、すべてのフォルダーで使われます。

そのため、フォルダーの分け方がそのままコードの範囲になります。実務では、1つの案件を1つのフォルダーにまとめるのが自然です。同じ人物が二つの案件に出てくる場合でも、コードは案件ごとに別になります。その分、ある案件のコード化した文書が外に出ても、別の案件の人物はたどれません。二つの案件でどうしても同じコードを使いたいときだけ、手で登録します。

このほかに、コードには次の性質があります。

  • 最初の英字が情報の種類を表します。Pは氏名、Oは組織名、Aは住所、Tは電話番号です。AIは、コードが人なのか会社なのか住所なのかを区別したまま文章を読めます。
  • コードの長さは置き換える文字列に合わせて決まるため、ページのレイアウトが崩れません。
  • コードと元の値の対応は、パソコンの中のコード台帳に保存されます。台帳の中で一つのコードが指す値は一つだけなので、デコードした結果に紛れが生じません。

元の文書もコード台帳もパソコンから出ることはなく、AIが受け取るのはコード化した文章だけです。

よくある方法が続かない理由

方法2回目以降に起きること
黒塗り見えない部分について、AIは推論できません
氏名を削除別々の人物がどれも同じ空欄になり、AIが人物を取り違えることがあります
処理のたびに別の仮の名前2回目で全員の名前が変わり、一人が二人になります
置換機能略称や表記ゆれを見落とし、置き換えの内容も次の文書には引き継がれません
文書ごとのコード契約書と覚書で、同じ当事者に別のコードが付きます

個人情報保護委員会の注意喚起

個人情報保護委員会は、2023年6月2日の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」で、事業者がプロンプトに個人情報を入力する場合には、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう求めています。あらかじめ本人の同意を得ずに「個人データを含むプロンプト」を入力する場合については、生成AIサービスの提供事業者が「当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること」としています。コード化した文書を渡せば、氏名や番号そのものはプロンプトに入りません。

よくある質問

同じ氏名に、なぜ毎回同じコードが必要なのですか?

作業が何往復にも、何通もの文書にもまたがるからです。やり取りのたびに一人の人物のコードが変わると、AIは一人の人物を別々の人物として読みます。

別々のファイルでも、同じ人物には同じコードが付きますか?

同じフォルダーのファイルなら付きます。コードがフォルダーごとに管理されているためです。別のフォルダーでは、手で登録したコードを除き、同じ値にも別のコードが付きます。フォルダーとコードの関係は元に戻せる匿名化の仕組みで詳しく説明しています。

コードと元の値の対応表は、どこにありますか?

コードを作ったパソコンの中のコード台帳です。台帳がパソコンの外に送られることはありません。台帳をエクスポートしたファイルは誰でも読めるテキストなので、コード化した文書と一緒に送らないでください。

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